「エンディングノートって、いつ・どうやって書けばいいの?」
そう思っている人は少なくありません。
この記事では、エンディングノートの目的や書くべき内容、そして書き始めるタイミングについて、やさしく解説します。
エンディングノートとは?その目的と意味

エンディングノートとは、自分の気持ちや希望、大切な情報を「人生の終わりに備えて」まとめておくノートです。
遺言書とは異なり、法的効力はありませんが、残された家族が迷わず行動できるようにするための「安心のメモ帳」です。書くことで、自分の考えが整理できたり、家族とのコミュニケーションが深まったりする効果もあります。
突然の病気や事故、または高齢による判断力の低下など、
思いがけない場面で自分の意思が伝えられなくなったときに、
家族や周囲の人たちに「どうしてほしいか」を伝えるために役立ちます。
つまり、自分自身の安心のためでもあり、家族への思いやりの形でもあるんですね。
エンディングノートに書くべき内容とは?

エンディングノートには、「これを書かなきゃいけない」という決まりはありません。
でも、多くの人が書いている基本的な内容があります。
ここからは、項目ごとにやさしく紹介します。
基本情報
- まずは「自分のこと」をしっかり残しておくのが安心です。
- 名前・生年月日・住所・家族構成・連絡先・勤務先など、基本的なプロフィール情報を書いておきましょう。
- 万が一、急に誰かに対応をお願いすることになったときに役立ちます。
医療・介護に関すること
自分が倒れたとき、どんな医療を望むのか、介護が必要になったときに誰に頼りたいか――
元気なうちに書いておくと、いざというとき家族が判断しやすくなります。
- 持病・服薬・かかりつけの病院
- 延命治療の希望
- 介護が必要になった場合の希望
財産や保険のこと
通帳、保険証券、不動産などの場所や内容は、本人しか知らないことも多いです。
情報がわからないと、家族は手続きに時間がかかってしまうことも。
- 保険・年金・預貯金・不動産・借金・ローン等
葬儀やお墓の希望
「こんな式にしたい」「このお寺で眠りたい」といった希望がある場合は、ぜひ書き残しておきましょう。
逆に「質素にしてほしい」「形式にこだわらなくていい」という希望も大切です。
葬儀の連絡先や喪主にしてほしい人の名前、お墓や納骨の場所のことも書いておくと、家族の負担を減らせます。
- 宗派・形式・希望する連絡先
- お墓の場所や希望
その他(ペット、デジタル遺品、メッセージなど)
最近は、スマホやパソコン内の情報(=デジタル遺品)も大事な項目です。
SNSのログイン情報やネット銀行のことなど、わかる範囲で記しておきましょう。
また、大切な人へのメッセージや、お世話になった人への感謝の言葉も自由に書けるのがエンディングノートの良さです。
- 大切な人へのメッセージ
- ペットのことや家の片付けについて
→ ▶ デジタル遺品のことはこちらの記事で詳しく解説しています
エンディングノートについては、**厚生労働省の公式資料「わたしの想いをつなぐノート」**としてPDFで公開されています。
👉 PDFを見る(厚生労働省)
このノートは、人生の最終段階に向けた“話し合い”のきっかけをつくることを目的としており、家族や医療・介護職とのコミュニケーションにも活用されています。
エンディングノートと防災・介護とのつながり

エンディングノートは、「もしものとき」のために書くもの。
それは災害や介護が突然必要になったときにも当てはまります。
避難先や緊急連絡先、持病や薬の情報などを記しておくことで、防災時や介護が必要になったときにも役立ちます。
家族が迷わず動けるようにする「備え」として活用しましょう。
まとめ:エンディングノートは「安心のメモ帳」
エンディングノートは、書いておくだけで家族への「思いやり」になります。
今すぐ全部を書かなくても、思いついたことから少しずつで大丈夫です。
人生の終わりに向けて…というより、「安心して生きていくための準備」として、気軽に始めてみてくださいね。
🌸著者の一言
誰もが、死に向かって生きています。
そう聞くと少し重たく感じるけれど、
自分の生きてきた思いや、大切な物、気になることは、きっと誰にでもたくさんあると思います。私も、もし今亡くなったらと思うと、
「あれもこれも伝えておきたかったな」と感じます。だからこそ、家族に大事なことや思いをしっかり伝えられるように、
エンディングノートを書きたいと思っています。
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介護福祉士として13年。防災や終活にも関心あり。
在宅ワークを目指して、パソコン奮闘中の「さっちん」です!