このブログは「介護現場の尊厳を守るサイト」です。今回は、“排泄ケアの未来”を変えるかもしれない「自動排泄支援機器」について紹介します。
※免責とご注意
本記事は公式情報をもとに、執筆者の経験や調査を加えてまとめています。法制度・サービス・仕様などは変更される場合があります。必ず最新の公式情報をご確認ください。
💬 はじめに
介護の現場で働く私が驚いたのは、「自動排泄支援機器」という言葉でした。
ある日ふと、「どうして排泄だけ、人の手じゃないとダメなんだろう?」とチャット先生と話していたんです。
食事や移動はAIやセンサーでどんどん進化しているのに、排泄だけはずっと昔のまま。
🌙 夜の介護の現実
夜勤の時間帯、何度も起きてオムツ交換。
臭いや羞恥心、疲労、腰痛…。
どれも介護する側・される側の両方に負担がかかります。
とはいえ、誰かがやらなきゃいけない。
それでも「少しでも楽に」「ゆっくり寝てほしい」と願う。
その気持ち、きっと私だけじゃないはずです。
母もよく言っていました。
「ただ、ゆっくり寝たいのよ」
⚙️ 自動排泄支援機器ってどんなもの?
この機器は、オムツの代わりに装着し、排尿や排便をセンサーで感知すると自動で吸引・洗浄・乾燥まで行う仕組みです。
つまり、寝たままでも清潔に保てる“未来のトイレ”なんです。


ここからは、自動排泄支援機器の主なメーカーと機能について説明します。
それぞれの特徴を比較すると、仕組みや選び方が見えてきます。
🧾 主なメーカーと機能一覧(2025年版・税込価格付き)
| メーカー名 | 製品名 | 対応排泄 | 主な機能 | 介護保険対応 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| パラマウントベッド株式会社 | スカットクリーン | 尿 | 尿センサーで自動吸引、脱臭機能、清潔設計 | ○(福祉用具貸与対象・要介護2以上が目安) | 医療・介護施設でも導入実績多数。ベッド一体型モデルあり。💰 販売価格:約89,100円(税込)/レンタル料:約8,100円/月(出典:ycota.jp) |
| 株式会社ライフ(LIFEDialet) | ダイアレット | 尿・便 | センサー検知で自動吸引 → 温水洗浄 → 温風乾燥 | ○(原則要介護4〜5) | 自動排泄処理のフルサポート型。家庭でも設置可能モデルあり。💰 参考価格:50万円以上(個別見積)(参考:ameblo.jp) |
| トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社 | DFree | 尿(検知のみ) | 膀胱内の尿量を超音波センサーで検知し、スマホに通知 | △(購入対象外、補助事業対象の自治体あり) | “排泄のタイミングを予測するAI機器”。排泄自立支援に活用。💰 販売価格:約42,000円(税込)/法人プランあり(出典:dfree.biz) |
💡補足
- 介護保険対象は、厚生労働省「福祉用具貸与品目」に該当する場合に限ります。
(要介護度や使用目的により異なるため、ケアマネージャーへの確認が必要) - DFreeは厳密には「自動処理」ではなく、「予知型排泄支援機器」。
ただしAIとセンサーを組み合わせた最新技術として注目されています。 - マインレット夢など旧モデルは、現在公式サイトでの情報提供が終了しています。
- 価格は参考値(2025年10月時点)で、地域・販売店・レンタル事業者によって変動します。
こうした機器があることで、介護者の負担が軽くなり、利用者の尊厳も守れる。
まさに「理想の介護」に一歩近づく技術だと感じました。


💴 おむつ代とどっちが高い?気になるコスト比較
実際に気になるのは「お金のこと」。
私も最初、「オムツ代より高いのでは?」と思っていました。
でも調べてみると、意外な結果に。
| 比較項目 | おむつ | 自動排泄支援機器(介護保険1割負担時) |
|---|---|---|
| 月額目安 | 約6,000〜12,000円 | 約800〜1,000円 |
| 手間・時間 | 毎日交換・夜間対応あり | 洗浄・乾燥まで自動 |
| 衛生面 | におい・かぶれのリスクあり | 自動脱臭・清潔に保てる |
| 尊厳 | 介助時に恥ずかしさを感じる | 自立・プライバシーを守れる |
つまり、条件が合えばおむつ代よりも安くなるケースもあるんです。
もちろん、介護度や地域、製品によって費用は変わります。
けれど、「経済的にも優しい未来の選択肢」として十分価値があると感じました。
🧓 介護保険で使えるってホント?
厚生労働省では「自動排泄処理装置」として正式に定義されており、
介護保険の福祉用具貸与の対象に含まれています。
ただし、条件があります。
- 原則として要介護4〜5が対象。
- 軽度の場合は例外申請が必要。
- ケアマネージャー経由で自治体に確認するのが確実です。
この制度を知らないだけで、使えるはずの機器を使えていない人が多いのかもしれません。
“知らない”ことこそ、いちばんの壁です。
🤖 機械と人の共存
とはいえ、「機械まかせで本当に大丈夫?」という不安もありますよね。
確かに、誤作動や装着のズレ、清掃などの課題も残っています。
でも、AIセンサーや安全機構は年々進化していて、安心して使えるよう改良が続いています。
つまり、「機械に頼る」ではなく、
**「機械と人が一緒に支える」**時代が来ているのだと思います。

💬 現場の声から見えたこと
介護の現場では、まだこの機器を見たことがない人も多いです。
私自身、介護職ですが、存在を知ったのは最近のこと。
看護師の娘でさえ知らず、驚いていました。
これは技術の問題ではなく、「情報が届いていない」だけなのかもしれません。
知っていれば、選択肢が広がる。
知らなければ、選べない。
だからこそ、私はこの記事を書こうと思いました。

🌱 これからの介護を“守る”ために
排泄ケアは、命の尊厳と深くつながっています。
夜、安心して眠れること。
介護者も笑顔で過ごせること。
そのどちらも、「守る」ために欠かせない要素です。
AIや機械は冷たいように見えて、実は「人を楽にするため」に生まれた道具。
だから、“人が替える時代”から“人を守る時代”へ――
それが、この技術の本当の意味だと思います。
📌 著者のひとこと
介護って、技術だけじゃない。
思いやりと工夫の積み重ねだと思っています。
この機器を通して、誰かの「ゆっくり寝たい」が叶いますように。

📚 出典
- 厚生労働省「介護保険制度における福祉用具、居宅介護支援について」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000921892.pdf
- 厚生労働省「福祉用具貸与(参考資料)」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000168702.p
📎 参考資料
- パラマウントベッド株式会社「スカットクリーン(自動採尿器)」
https://www.paramount.co.jp/series/3/3000220 - 株式会社ライフ「ダイアレット」
https://lifeheart.co.jp/dialet1.html
※かつては「マインレット夢」などの機器も存在しましたが、現在は公式情報が確認できません。

介護福祉士として13年。防災や終活にも関心あり。
在宅ワークを目指して、パソコン奮闘中の「さっちん」です!

