近年、日本では地震や台風、豪雨災害などの大規模災害が頻発しています。とりわけ、介護施設では要介護者や認知症高齢者など自力避難が難しい方が多く、通常の住宅よりも念入りな防災対策が求められます。
しかしながら、防災対策を一から整えるのは容易ではありません。そこで今回は介護施設の防災計画における基本チェックリストをわかりやすくご紹介します。施設職員や管理者の方はぜひ参考にしてください。
防災計画は日頃から
避難計画の作成と共有

まずは災害発生時の行動指針となる避難計画を策定します。その際には次の項目を確認しましょう。
- 建物の安全確認(耐震補強・防火設備の整備)
- 災害時の避難ルートや避難先の明確化
- 地域の福祉避難所や行政との連携
- 入居者一人ひとりの障害や健康状態に応じた個別支援計画の作成
さらに、計画は作るだけでなく、全職員への周知と年1回以上の見直しも必要です。
防災訓練の実施
どれほど立派な計画があっても、実際に行動できなければ意味がありません。したがって、定期的な防災訓練を行いましょう。
- 地震・火災・水害を想定した避難訓練の実施
- 夜勤者やパート職員も含めた訓練への参加
- 避難器具(担架・車いす用スロープなど)の使用方法の習得
- 119番通報・初期消火・心肺蘇生法(AED)の実践訓練
こうした訓練を通じて、職員全員の意識と行動力を高めることができます。
防災備蓄の準備

災害時はライフラインが止まり、支援物資が届くまで時間がかかることもあります。したがって、最低3日分、可能なら7日分の備蓄を用意しておきましょう。
- 飲料水・保存食・レトルト食品
- 常備薬・処方薬・医療器具
- 簡易トイレ・おむつ・衛生用品
- 懐中電灯・電池・携帯ラジオ
- バッテリー・モバイル充電器
また、施設独自の必需品リストを作り、定期的な在庫確認と消費期限チェックを習慣化することも重要です。
情報伝達・安否確認体制の整備
災害時は迅速かつ正確な情報伝達が人命を守る鍵となります。
- 入居者家族への一斉連絡手段(電話・メール・LINEなど)の確保
- 施設内に非常用の連絡掲示板や拡声器の設置
- 行政・消防・地域ボランティアとの連携体制の構築
ですからこれらの取り組みによって、職員も利用者家族も安心できる環境が整います。
【まとめ】介護施設の防災は日頃の備えが命を守る
介護施設では計画・訓練・備蓄・情報体制の4つが防災対策の柱となります。
だからこそ、日々の小さな備えの積み重ねが大切です。
最後に、万が一の災害時でも入居者・職員の命を守れるよう、施設全体で防災意識を高めていきましょう。

プロフィール
こんにちは。
私は現在、障害者施設で介護福祉士として勤務しています。
日々ご利用者さまの笑顔や安心のお手伝いができることにやりがいを感じています。
家は海沿いにあり、自然災害の怖さを身近に感じてきました。
そのため、防災への意識はとても高く、いざという時に備えることの大切さを強く思っています。
また、身近な人にもしものことが起きた時、慌てずに動けるように、日頃から準備や心構えを持つように心がけています。
最近は「自分のこれから」も考え始め、少しずつ終活にも目を向けています。
このサイトでは、同じように備えや介護・終活について気になる方のお役に立てる情報を、わかりやすく発信していきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。
コメント